子どもにどうしてあげればいい?― ちえのわライブラリー 2

ちえのわライブラリーに加わった

『子どもにどうしてあげればいい?』

をご紹介します。

 

 

著者のソランタウスさんは言います。

こころの病気はその人や家族の人生に影を落とすものではないとわかり、また家族に何ができるかを知るうえで、これらの本が役立つことを願っています。周囲の人が理解と思いやりをもってサポートするならば、親のこころの病気は、子どもの発達の障壁になるようなものではありません。

こころの病気を抱えている親と子どもをサポートするためのハンドブック

本当にその通りです。

親のメンタルヘルスが子どもに及ぼす影響については様々に言われてきました。トラウマの世代間伝達、すなわち親世代が受けたトラウマが何らかの形で次の世代に伝わることも知られています。

しかし、その「事実」を指摘するだけよいのでしょうか。「うつ病を持つ親に育てられた子どもは…」などと言われれば、当事者は責められるように感じるのではないでしょうか。病気はなりたくてなった訳ではありません。ましてやサバイバーのメンタルヘルスの問題は本人の責任ではありません。

そうではなく、そのことが意味するのは、養育者にはサポートが必要である)ということです。そしてサポートがあれば、「親のこころの病気は、子どもの発達の障壁になるようなものではありません」。

この本にはメンタルヘルスの問題を抱える親たちへの具体的なアドバイスが詰まっています。

たとえば

親の病気について子どもに話すと、子どもの負担が増えると考えられているため、そのことは説明されないのが一般的です。
しかし、正しい情報をもっていないと、子どもは目にした出来事を自分なりに解釈し、すぐに誤解してしまいます。

子どもは親の病気の原因を探そうとし、たいていの場合、自分自身を責めてしまいます。
「言うことを聞かなかったから、お母さんは不機嫌なの?」

子どもは自分を責め、罪悪感の重荷を背負ってしまいます。
それは病気の本当の原因を知ることで軽くなるでしょう。

いかがでしょうか?

悩める親たちはこの本から元気をもらえること間違いなしです。

当事者の方はもちろん、そうでない方も、是非一度手に取ってみられることをお勧めします。

ソランタウスさんは「周囲の人が理解と思いやりをもってサポートする」と言っています。ただし、これには少し付け加えた方がよいかもしれません。

まず、「理解と思いやり」だけではなく、それは親と子の「権利」であるということです。親にも子にも「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(生存権)」(日本国憲法24条)があります。そして安全で安心な環境で育つことは子どもの権利です(子どもの権利条約)。

そして、生存権と関連して、まずは生活支援が必要です。「子どもの貧困」がクローズアップされていますが、そのためにも親と子の生活支援が必要であり、そこには「周囲の人」と言うより、公的な支援が不可欠です。生活保護、シングルマザーへの諸手当、雇用(特に女性の)を底上げしていくことが重要ではないでしょうか。「衣食足りて礼節を知る」ということわざを思います。