クリニックちえのわの「カウンセリング」

「カウンセリングはしているのですか?」と聞かれることがあります。

「はい」とも「いいえ」とも答えられず悩みます。私たちの「カウンセリング」についての考え方をお話します。

クリニックちえのわではコミュニケーションを重視しています。またメンタルヘルスの問題について薬を使わない対策を優先して行うため、治療は患者と医師の対話、相談を通じて行われることになります。その意味ではカウンセリング(相談)が中心になっていると言えます。

ただし、しばしば考えられているように、話を聞く、しかも「長時間話を聞く」という意味のカウンセリングについては私たちは重要だと考えていません。

確かに話を聞くことは患者さんの問題を理解するために必要不可欠です。特に初回は十分に時間を取ります。患者さんを知るもっとも重要な手段は心療内科・精神科ではコミュニケーションなので1時間ほど話を聞くのはふつうです。

治療としてはどうでしょうか。長時間話を聞いてもらって楽になる、ということは確かにあるでしょう。しかし、それで解決する問題ならクリニックを訪れないのではないでしょうか。実際多くの方は、親しい人に話を聞いてもらっています。それで解決した方はクリニックを訪れません。よくならないのでクリニックを訪れるのです。

そんな方でも、クリニックで話を聞いてもらって楽になることはあります。はじめて自分の苦しみが理解された、と感じ、それで力を得る訳です。特に対人暴力によるトラウマのように、周囲の人には打ち明けられない問題もあります。

とはいえ、深刻な問題であればそれだけで解決するのは難しいです。その場合は、仮に診察で話を聞いてもらって楽になってもその効果は持続しません。ある種の接客業ならその場限りでよいかもしれませんが、私たちは、診察の30分ではなく、24時間、いや2週間毎の診察であれば24×14=336時間で評価しなければなりません(接客業を貶めるつもりはありません、役割が違うだけです)。

そこで単に「長時間話を聞く」のとは異なった「相談」になるのです。問題に対する対策、対処法の相談です。そこには生活相談、環境調整もあれば、認知行動療法のような心理療法もあります。大事なのはそこで話したことが、336時間の生活を変えることができるかということです。そういう「相談」の意味での「カウンセリング」はクリニックちえのわでは積極的に行っています。