クリニックちえのわでは、おなじみのランチミーティングとは別に、定期的にスタッフの個人面談を行っています。
個人面談と言うと「ダメ出しされるのでは?」のようなことが頭をよぎるらしく、初体験のスタッフは緊張するようです。
実際は…
- 勤務の感想
- クリニックの改善点
- これからやりたいこと
をなどをスタッフから聞く、というのが個人面談の趣旨です。山田が評価したり要望したりということは一切ありません。スタッフが快適にやりがいを持って働けること、ちえのわをよくして行くことが目的です。
さて、8月のお盆休み明けに、去年12月以来の個人面談を行いました。そこでの話題をいくつか、コメントをつけてご紹介します。
感想
診療補助スタッフの感想を2つ挙げます。
心療内科/ 精神科の診察と言うと、話を聞いて薬を出す、というイメージがあったが、患者さんが自分で治す方法を話し合うのが意外だった。
医師と患者が対等の立場で問題に取り組む、というのがクリニックちえのわのやり方です。医師と患者で述べたように、そう簡単ではありませんが、いくらかは実現できているということでしょうか。
紙に書いて説明するとき、(呼吸再調整のデモのような)ジェスチャーがあるとき、診療補助からは見えないのでカルテの入力も難しい。
スタッフはレースのカーテンで間を仕切られた別室にいます。診療補助がつくのはそれを了承いただいた場合だけですが、それでも患者さんが少しでもスタッフを意識せずに話せるようにするように別室にしています。
しかし別室からは診察室の様子がよく見えません。そのせいで診察室の会話の理解が難しいときがある訳です。
何か解決策がないか、スタッフと考えて行きます。
改善点
業務の改善点としては
- 業務で使うツールを使いやすく改良して行く
- みんなで分担して、特定のスタッフに業務が偏らないようにしたい
そのために
- 知識のギャップを埋める
- できるところはマニュアル化する
などが出ました。簡単なことではありませんが、これから具体化して行きます。
うれしかったこと
これからやりたいことを聞く中で、ちょっとうれしかったことがありました。
複数のスタッフが、将来資格を取るなどして、精神保健福祉に本格的に関わりたい、と望んでいることが分かったことです。
スタッフが目的を持ってスキルアップして行くことは、ちえのわの医療のレベルアップにつながります。そしてそれ以上に、日々の活動が十年後二十年後の遠い未来につながって行くという希望は、私たちを力づけます。
耳の痛いことが言える関係
さて、今回の個人面談では、山田にとって耳の痛い意見はあまり出ませんでした。ちょっとホッとしたのは事実です。しかし半面、残念なことでもあります。
相手が気分を害するのではないか、と思って意見を控えることがあります。反対に、相手が気に入りそうなことを言う迎合、いわゆる「忖度」もあります。
これらが積み重なると人間関係に溝ができます。対等な関係でも起こることですが、力関係があると余計です。
クリニックちえのわでは医師も含めたスタッフ間の対等な関係を目指しています。とは言え、専門職と非専門職、雇用者と被雇用者、という立場の違いは容易に上下関係を生みます。それを日々のコミュニケーションの中で壊して、バランスを回復して行くことが必要です。
これは医師患者関係と同じです。患者さんは医師に気を使っています。たとえば、処方通りに薬を飲んでいないことはしばしばありますが、それを医師に伝える患者さんは少ないです。
しかし、それで治療がうまく行くはずがありません。「嘘」が入ってしまえば信頼関係も築けません。
互いにとって耳の痛いことでも言い合えるような関係を、スタッフ間でも患者さんとの間でも作って行きたい、と改めてスタッフに伝えました。
個人面談は年2回ぐらいのペースを考えていましたが、スタッフからは思いの外好評です。もう少し間隔を短くした方がよさそうです。次回は年内にでもできればと思っています。