クリニックちえのわは7年目に入っています。
この間できたこと、できなかったこと、そして、やりたいこと。様々なことがあります。少しずつ振り返っていきたいと思います。
クリニックちえのわでは「薬に頼らない治療」をこころがけています。
精神科医療は「薬漬け」と揶揄されることが多く、精神科クリニックをたとえて「薬の自販機」と言う人もいます。
残念ながら、これらの言葉が決して的外れではないのが精神科医療の現状です。
しかし、薬物療法は精神科では必須ではなく、各種の治療ガイドラインでも、薬物療法を必須でも第一選択ともしていません。たとえばイギリスの公的機関であるNICEのガイドラインでは、統合失調症の急性期ですら薬物療法ではなく認知行動療法をまずおこなうように勧めています。
なぜ日本の精神科が薬頼みになっているのか、そこには様々な事情があります。それゆえ、一朝一夕にこの現状は変わりません。
このような現状には同調せず、私たちは各種ガイドラインやエビデンスを重視したいと考えています。それはおのずと「薬に頼らない治療」となります。
必ずしも薬を使わないということではありません。
クリニックちえのわは「減薬」や「断薬」を謳うクリニックではありません。メリットとデメリットを考えた上で、薬の服用を提案することもあります。
その場合でも、心理療法など薬に頼らない方法を中心に、薬は補助的に使います。
もちろん、説明を受けて最終的に治療法を選ぶのは患者さんです。薬を服用したくない方に無理強いすることはありませんし「薬を飲まないのならうちでは診れない」などとは言いません。
次回からクリニックちえのわの治療についてもう少し詳しく説明します。