ひとりぽっちをつくらない ー 言友会全国大会に参加しました

言友会全国大会(大会のサイト)に参加しました。

言友会は吃音者つまりどもる人たちの自助グループで、各地にあります。
実は私(山田)自身、吃音者です。かつて京都や宮城の言友会に足を運んだこともありますし、様々な障害を持つ仲間と「軽度障害ネットワーク」(当時のサイトのレプリカ)という活動をしていたこともあります。

今回は大阪の大阪結(ゆい)言友会さんの主催です。

あいにくの台風で、3日間の予定を2日間に短縮しての開催でした。

私は都合により初日を欠席したため、2日目朝からの参加です。

ひとりぼっちをつくらない

まず、「ひとりぼっちをつくらない」言友会の社会的支援 〜社会福祉協議会と言友会活動との連携を考えよう!〜」という分科会に参加しました。

吃音という症状は、学校生活や就職活動、就労での悩みを深めたり、時には
不登校やひきこもりの原因になったりすることがあります。このような悩み や「ひとりぼっち」の状態を防ぐためには、言友会単独での活動だけでなく、 医療機関や他機関と協力しあう活動も大切ではないでしょうか。社会福祉協 議会は、全国各地にあり「ひとりぼっちをふせぐ」地域づくりを進めていま す。大阪発の先駆的な社協活動や言友会との連携事例を知り、これからの言友会活動の協働を考えていきましょう。

「当日のしおり」より「概要」

まずコミュニティソーシャルワーカーとしての素晴らしい活動で有名な勝部麗子さん(豊中市社会福祉協議会)のお話。

ゴミ屋敷、子どもの貧困、ひきこもり、8050問題、アルコール依存…

勝部さんが関わる人たちの持つ問題は、クリニックちえのわの患者さんのそれと重なっています。キーワードは「社会的孤立」。助けが必要なのに、誰ともつながっていない人たちがこの社会にはたくさんいます。

勝部さんはそうした人たちにつながるだけでなく、地域の人たちと彼女/彼らをつなげて行きます。勝部さんや社協の人たち、そして地域の人たちと関わる中で、かつて人によって傷つけられた人が人によって癒され、そして人に支えられた人たちが次には人を支える人になって行きます。こうして地域が変わって行きます。

一番厳しい人を見捨てる社会はみんなが見捨てられる社会」という勝部さんの言葉に深くうなづきました。

ちえのわでも、支え合う、つながる、ことを大切にして来ました。ただ、勝部さんのように、人々が支え合う地域に変えていく、という意識は薄かったことに気づきました。少なくとも私たちの仕事だとは考えていなかったのです。
しかし、私たちも当事者意識を持ち、それこそ社協や、市民と協力して、地域社会のつながりを作っていくことに取り組んで行く必要を感じました。

明石でも…?

後半は福岡の卜部さんと立川さん、奈良の後藤さんからの、社協と言友会の連携についての報告でした。社協と言友会が手を結ぶことで、地域で孤立しがちな吃音者とその家族がつながって行くことができます。引きこもりの人の中にも吃音者はけっこういます。吃音者の当事者グループとして、言友会の地域で重要な役割を果たせるのではないか、と思いました。

奇遇にも隣の席の方が姫路言友会の方でした。加古川市の方にも声をかけて頂きました。

福岡や奈良に習って明石、あるいは東播磨という地域で、吃音者として何かできることを、と思いました。

そのためにはまず「社協職員と仲良くしよう」(卜部)なのでしょう。できることから始めたいと思います。

上を向いて歩こう

その後、閉会式へ。

思い出す秋の日 ひとりぽっちの夜

 

大阪結言友会のメンバーの組む結バンドの歌と演奏を聞き、「上を向いて歩こう」を会場で合唱しました。

 

 

 

半日でしたが、それぞれがそれぞれの仕方でどもる人たちに囲まれて懐かしさと安心感をおぼえました。

それぞれが吃音者としての歴史があるのでしょう。「ひとりぽっちの夜」もあったに違いありません。

そんな人たちと共にいる言友会という場は私にとって「ホーム」であり「居場所」だと改めて感じました。

「仲間」たちにまた会いたいと思いました。