かぜのここが知りたい!

相方「お昼は鍋焼きにしてね。」

かばきちです。

相方がかぜで寝込んでます。

 

 

 

 

クリニックの患者さんにもかぜひき多数です。

そこで今回は「かぜのここが知りたい!」。昨年発行した『ちえのわ通信かぜ特集号』の焼き直し一周年記念エディションです。

それでは、はじまりはじまり〜。

 

  • Q1 かぜの予防に一番大切なのは何ですか?
  • Q2 かぜになったときはどうすればよいでしょうか?
  • Q3 うがいはイソジンがいいですか?
  • Q4 かぜ薬は飲んだ方がよいでしょうか?
  • Q5 熱は下げた方がよいでしょうか。
  • Q6 抗生物質(抗菌薬)は飲んだ方がよいですか?
  • Q7 ちえのわではかぜは診てもらえますか?

 

Q1 かぜの予防に一番大切なのは何ですか?

手洗いです。かぜは主に接触でうつります。外から帰ったらすぐに手を洗いましょう。家族にかぜひきがいるときは、何かを食べる前に必ず手を洗いましょう。

Q2 かぜになったときはどうすればよいでしょうか?

よく食べよく眠り休息を取りましょう。かぜは自然に治る病気です。症状を和らげるためには加湿がお勧めです。加湿器がない場合は、濡れたバスタオルを室内に干します。マスクとうがいも加湿の働きで症状を和らげる効果があります。

Q3 うがい薬でうがいした方がいいですか?

おすすめしません。カバくんには申し訳ないですが、ポピドンヨードのうがい薬はのどの粘膜を傷めます。うがいは水がよいです。目的も消毒ではなく加湿です。

 

 

 

Q4 かぜ薬は飲んだ方がよいでしょうか?

かぜ薬を飲むと早く治るというのは迷信です。かぜ薬は症状を和らげるだけです。かぜの症状がつらいときは薬を飲んでもよいでしょう。総合感冒薬には眠くなる成分が入っていることがありますので、運転は注意しましょう。

Q5 熱は下げた方がよいでしょうか。

つらくなければ下げなくてかまいません。熱が出たときはまず水分(スポーツドリンクがベスト)を取りましょう。水分を出す(汗や呼気、皮膚からの蒸発)ことで体温が上がりすぎることを防ぐ、というからだの働きを保つためです。あとはクーリング(冷やす)です。額より、脇の下がお勧めです。太い血管が浅いところにあるので効率よく熱を下げます。ペットボトルに水を入れて凍らせたもの挟むのが手軽です。

熱が出るのはむしろ感染からからだを守る働きです。例外的に42度を超える体温は脳にダメージを与えることがあります。まずめったにありませんが、42度に近づくときは解熱剤を使った方がいいでしょう。

解熱剤としてはアセトアミノフェンがお勧めです。

Q6 抗生物質(抗菌薬)は飲んだ方がよいですか?

飲まない方がよいです。抗菌薬はかぜをひきおこすウィルスには効果がありません。かぜをこじらせて肺炎になったときに抗菌薬は必要ですが、肺炎を予防する効果はありません()。

ただし例外はあります。かぜに見えて肺炎、ということもありますし、かぜのような症状の後で咳が続く百日咳などの病気の場合は抗菌薬が必要です。いつものかぜとは違うと思ったら診察を受けましょう。

 

Q7 ちえのわではかぜは診てもらえますか?

もちろん診ます。こころとからだのかかりつけ医を目指しています。遠慮なくご相談下さい。

 

いかがでしたか?

みなさん、くれぐれもお気をつけて。かばきちでした。

(ハックショ〜イ! あれっ?)

 


最近こんなニュースがありました。

かぜに「抗菌薬」は効きません 半数が誤認(NHK)

ご参考までに一部を引用します。

抗菌薬は、細菌には効果がある一方で、かぜやインフルエンザなど、ウイルスが原因の病気には効かないことが分かっていますが、かぜに処方されるケースがあり、薬が効かない耐性菌を増やすことにつながっていると指摘されています。

耐性菌の問題は重要です。クラリスロマイシンやアジスロマイシンをかぜに処方する医師もいますが、これらマクロライド系抗菌薬は百日咳、マイコプラズマ肺炎、レジオネラ肺炎などの特効薬と言える薬です。耐性菌で使えなくなるととても困ります。

そして

国立国際医療研究センター病院は、インターネットを利用して全国の10代から60代までの一般の男女721人に対して、抗菌薬に対するアンケート調査を行いました。

その結果、「抗菌薬がどのような病気に有用か」という質問に対して、「かぜ」と答えた人が49.9%、「インフルエンザ」と答えた人は49.2%と、ほぼ半数の人が誤って認識していることが分かりました。また、「かぜで受診した時に処方してほしい薬」として、30.1%の人が「抗菌薬」と答えました。

このように誤解している人がまだまだ多いのです。学校教育や生涯教育の場で、健康と病気についての知識をもっと普及できないでしょうか。