こころの集い in 神戸ー 減薬について考えてみました 1

こころの集い in 神戸

昨日(10月13日)、「こころの集い in 神戸」という集まりに参加して来ました。

薬を止めたいけど・・・、薬を減らしたいけど・・・、主治医には言いにくいし、だれに相談したらいい のか、私たちは向精神薬の服用で悩んでいます。減薬、断薬した人はどうしているんだろう。薬について話し合う機会は少ないです。服薬している人と減薬した人とが一緒に話し合うことができたら、希望を感じながら向精神薬に向 き合えると考えています。
一緒に考えてみませんか?

ちらしの紹介文より

映画『精神科治療薬から離れる:こころの集い』( )を見て、その後、映画と同じように、自分の体験に基づいて自由に話し合おう、という趣旨の会です。

私は午前の診療を終えてから午後の部に参加しました。

ちえのわに通院中の方も何人か参加。よく知っているつもりの人の知らない話も聞けて、とても有意義で、楽しい時間でした。

会の趣旨から、主な話題は向精神薬の減薬・断薬でした。減薬したいと思っている人、減薬中の人、減薬はしたが断薬はしていない人、すでに断薬した人、と様々。

みなさんのお話をうかがいながら、改めて減薬・断薬(以下、単に減薬と記します)について自分の考えを整理する必要を感じました。

クリニックちえのわと減薬

減薬を希望してクリニックちえのわを訪れる方がおられます。
確かに私たちは薬に頼らない医療を心がけています。しかし、その記事でも述べたように薬を使わない医療を目指している訳ではありません。何が何でも減薬・断薬、とは考えていませんし、薬物療法そのものを否定する人たちや、ましてや「断薬ビジネス」の類とは一線を画します。

減薬が目的ではない

減薬それ自体が目的ではありません。あくまで手段です。それで何を実現したいか、ということが大切なのだと思います。それは服薬する人によって様々でしょう。

薬が多いときは薬に乗っ取られているような感じがしていた、という人。
特に症状はなく無事に日常生活を送っているが、薬を飲むときに「自分は病気なんだ」と確認するのがつらい、という人。
薬を飲むと眠くて作業が続かないという人。

薬を減らしたりやめたりすることで、本来の自分、自分らしさが取り戻したい、と考える人は多いようです。

医師の積極的関わりも必要

しかし、薬が多過ぎてそんなことを考えられない人もいる、という意見を聞きました。
確かにそうです。減薬することで思考力・判断力が回復することが先決、という場合もあるでしょう。

そんな場合、ご本人が減薬に積極的でない場合でも、薬について話し合って、減薬の提案をするべきなのかもしれません。

最終的に決めるのはご本人であり、第三者が押し付けるべきではない、とは思います。しかし医師はもう少し積極的に関わってよいのではないでしょうか。

つづく

『精神科治療薬から離れる:こころの集い』は映像作家Daniel Mackler氏の作品です。

なお有名な『開かれた対話ーオープンダイアローグ』(YouTube)もMackler氏によるものです。