6月からのちえのわー 緊急事態宣言解除を受けて

兵庫県の緊急事態宣言は5月21日に、そして5月25日には全国的に緊急事態宣言が解除されました。

持続可能な感染対策

新型コロナウィルス感染の危険が去った訳ではなく、感染対策は今後長期にわたって続きます。とは言え、これまでの厳格な感染対策は見直す必要があります。

兵庫では21日連続(6月6日現在)新規感染者が出ていません。一時心配された「医療崩壊」は現在のところ起こっていません。厳格な感染対策の成果と言えるでしょう。

しかし一方で、社会経済活動の停滞、その結果としての格差拡大などが現れていますし、「コロナうつ」呼ばれるような心身の不調も言われるようになっています。こちらはむしろ今後現れて来るのでしょう。

これからは、感染対策と生活の両立を考えなければなりません。

これからのちえのわ

クリニックちえのわは安全と安心を大切にして来ました。それはトラウマインフォームドアプローチで重視される価値でもあります。その意味で新型コロナウイルス対にも力を入れてきました。「安全安心な受診のために」でも述べたように、クリニック内の感染対策と遠隔診療の活用が二つの柱です。

これらについて今後どのように取り組んで行くかを述べます。

クリニック内の感染対策

以下は引き続き行います。

  • スタッフの体調チェック(検温の他、新型コロナウィルス感染症のスクリーニングに有用な項目をチェック)
  • 定期的な換気、消毒
  • 受付での検温・アルコール消毒液の設置・(マスクのない方への)マスクの提供・待合室での距離(ソーシャルディスタンス)の確保、などの患者さんの安全確保
  • 診察室での医師・患者の確保の確保(2m空ける)

一方で、6月からは、診察室での患者さんのマスク着用は求めません。ただし、医師(山田)はマスクを常に着けていますし、診察室の換気も1時間ごとに行うなどの感染対策は継続します。

マスク着用が苦手な方もおられますし、リラックスして話すためにマスクを外したい方もおられます。現時点での感染リスクを考えれば診察室でのマスク着用はメリットよりもデメリットが多いかもしれません。ですので着脱は患者さんにおまかせすることにしました。(ただし、身体診察など距離を近づけるときに着用をお願いすることがあります。)

今後も新型コロナウィルス感染症の情報収集に努め、対策をアップデートして行きます()。

遠隔診療

緊急事態宣言をきっかけに取り組み始めた遠隔診療を今後も継続します。

さらに積極的に、対面診療、遠隔診療、訪問診療を組み合わせたハイブリット診療をクリニックちえのわのミッションとして行きたいと考えています。

このパンデミック下でオンライン診療先進国のアメリカでは条件が緩和され、中国での流行も報じられています。

遠隔診療、特にオンライン診療については心療内科・精神科との相性のよさは海外では知られています。

アメリカ精神医学会の「オンライン精神科診療とは何か」によれば、

オンライン精神科診療には十分なエビデンスがあり、研究によれば患者、精神科医、他の専門職に高い満足をもたらす。オンライン診療は診断の正確さ、治療効果、ケアの質、患者満足において対面診療と同等である。患者のプライバシーと秘密は対面診療と同じように守られる。

 

対面診療よりオンライン診療が勝る場合もある。たとえば自閉症、重症の不安障害や身体障害のある人には遠隔治療(remote treatmant)が特に有用である。

PTSD、うつ病、ADHDでは特に有効性が認められている。

オンライン診療が対面診療に匹敵する診療形式であることはまちがいありません(それぞれの長所短所の比較については稿を改めます)。

そこで、引き続き保険外診療として以下の価格でお願いしています。

時間 価格 内容
15分まで 2200円 通常の診察
30分まで 3300円 長めの診察または簡単な認知行動療法など
60分まで 6600円 認知行動療法など

 

なお、現在のところオンライン診療は再診(2回目以降の診察)のみで、初診は対面診療をお願いしています。初診のオンライン診療については引き続き準備中です。


これから夏場にかけて、マスク着用のルールを見直す必要が言われています。
特に子どもについては、神戸市が登下校時はマスクを外すことを推奨しています(神戸新聞)。厚生労働省は3月25日付の「各学校等における教育活動の再開へ向けたマスクの準備について」で「特に屋内で、近距離での会話や発声が必要な場面では、できる限りマスクの装着をお願いします。」としていますが、少なくとも子どもについては、マスク着用を特定の場面に限るのがよさそうです。